列制約とは、縦の列のことです。
トップの日の看護品質、あるいは平均的な看護品質をさらに向上させることではありません。最も低い日の看護品質を引き上げて、一定以上の看護品質を保つことが目的です。全ての日が、一定水準以上になるように平準化することが目的になります。平たく言うと、全日に渡って医療事故を防止する、そのような看護師配置とすることが目的になります。
一般に、列制約については、かなり厳密に運用されていると思います。人力解でも上のような制約エラーが多発する勤務表を見ることは少ないです。これは、管理項目として、実際に日々縦のラインをチェックしている結果であると思います。これに対して、行制約の方は、一般に緩く、頂いた仕様に対して結構なエラーが生じる傾向にあります。恐らくは、列制約を満足させることを優先させ、看護師QOLについては、そこまで気を廻せない、ということではないか?と想像します。
<上記赤ラインを必要以上に高くとったときの問題>
下記は、人力では到底出来ないような複雑な列制約の結果です。多くの制約を満たしていません。
これに対して、予定を元に戻して求解させれば、スケジュールナース解が出ます。
ほぼ、列制約エラーは、消えました。(初日に出ているのは、先月の人力解の影響です)
人力解とスケジュールナース解とでの比較でみると、
スケジュールナース解の目的関数値は、UB=141
となっていて、5倍以上の差が生じています。特に、重篤なエラーが少なくなっています。
人力解の目的関数値は、UB=877
スケジュールナース解の目的関数値は、UB=141
となっていて、5倍以上の差が生じています。特に、重篤なエラーが少なくなっています。
それなら問題ないじゃないか?と思われるかもしれませんが、実は問題があります。
二つの問題が生じます。
(1)解空間が必要以上に狭まる
(2)メンテナンスが困難になるメンテナンスのない勤務表は存在しません。組織変更、人事異動、退職、妊娠・出産等により、月々に変更することが付きまといます。制約が複雑であればあるほど程、融通が利かないので、誰かが制約を変更しなければならない確率が高まります。
結論としては、現時点で運用中のルールをそのまま仕様化することをお勧めします。往々にして願望を仕様化すると、複雑で高すぎる制約となります。
スケジュールナースを使いこなす上でも、バランス感覚は必要です。Githubにも色々な実践的プロジェクトファイル例を挙げています。どれも、上のような複雑な列制約はありませんので参考にしてください。シフト最適化の第一歩は、仕様化です。職場の数だけ仕様があります。多くのシフト最適化勤務表をスケジュールナースのプロジェクトに落としてきた経験から言うと、この仕様化さえできれば、ほぼ間違いなく成功します。
仕様化は、職場のルールを言葉にすることです。頭の中にあるルールを書き出す、簡単なようでこれが最も難しいのです。そのためのコンシェルジェ、伴走サービスが、勤務表作成サービスです。看護師や介護士の最適化シフト勤務表作成の仕方については、以下の詳細なレクチャ資料があり、ある程度パターン化しているので、自力でプロジェクト作成する道もあります。
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