正月に、親戚の高専生がゲームプログラマを目指している、というのを聞いて、老婆心ながら、「プログラマになるなら国語力が大事だよ。」
と言ってしまいました。そう言っているのは、私だけではないようで、
プログラミング教育にはどうして国語が必要と言われるのか? | ティーチャーズメディア
国語力とプログラミング力の関係 解説編:【写真】天才プログラマに聞く10の質問(4)(1/2 ページ) - @IT
スケジュールナースを使う上においても同じことが言えると思っています。スケジュールナースは、プログラムじゃないじゃん、と言われるとその通りですが、
実は、皆さんは、制約プログラムをGUIで書いています。コンピュータに指示するというの、GUIではありますが、言葉で指示をしていることに同じです。言葉なしでは、一切動きません。言葉という指示があって、スケジュールナースは、動きます。
仕様を人に伝える、にしてもそうです。ユーザさんの中で、お医者さんやら看護師勤務表を作っておられる方がいらっしゃいます。この方は、現役ではないのですが、いわゆる事務屋さん、だと思います。そういう方が、畑違いの仕様をまとめて提示してくれていて、非常に助かっています。で、その力の源泉は国語力であると思う次第です。使いこなすのに、ITエンジニアである必要はない、という証明だと思います。
プログラムでも、最初からコーディングすることはありません。何を実現するかというのは、企画書や仕様という言葉で形にすることで明示することから始まります。
このユーザさんのように、事務または事務長さんであるユーザさんは結構多いと思います。人と人とのコミュニケーションに長けているということ、人の話を聞くこと、理解してまとめること、これは、全て国語力です。なので、別に看護師長である必要はない、ということだろうと思います。勿論、看護師長自身が使いこなせれば、それがベストですが、制約をメンテナンスする人が、看護師長である必要はありません。
男性か女性かという点においては、経験上、男性の方が国語力の優位性が高いと思います。何故かは分かりません。男性の方がロジカルである傾向があるからかもしれません。
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性別を問わず、どんなにITリテラシーに疎くても、国語力とやる気さえあれば、サポート出来る自信はあります。言葉のコミュニケーションさえできれば、必ず前に進めることが出来るからです。
ちなみに、今までに出会ったなかで、国語の達人と思うのは、弁理士さんです。特許の請求項をクレームと言うのですが、クレームでは、日本語で論理的なことを漏れなく明確に記載する必要があります。私が書いたクレーム原案は、殆ど跡形もなく添削されて別なクレームになるのが普通です。それは、特許クレームという一見複雑怪奇な文章ではありますが、見事に精緻で一分の隙もない文にする日本刀の研師のような作業です。これを成すには国語力、ということをおっしゃっていたのを思い出しました。
その弁理士さんは、推敲の際、句読点を区切りながらクレームをよく音読していました。正しいかどうか常に反芻しながら頭を回転させていたのでしょう。で、
スケジュールナースで制約が思い通りに動かないとき、制約を音読してみる、
というのをお勧めしています。自分が今書いた制約が、確かに意図通りであるか?反芻することで、バグを発見できるかもしれないからです。