新たに出願した特許が、菅原システムズ4件目の特許登録となりました。
菅原システムズの特許査定率(出願に対する特許査定率)は100%です。
<技術解説>
そのいずれも、ナーススケジューリング問題に対するソルバに関する特許です。ナーススケジューリングは、組み合わせ最適化における一分野です。最適化は、連続系最適化問題と離散系(整数系)最適化問題に分けられます。組み合わせ最適化は、整数最適化問題です。連続系最適化なら、例えば人を3.6人配置、という解が出てくるかもしれないのですが、欲しい解は、人をぶった切ることではありません。解は、全て整数である必要があります。そうなると解の様相は、連続系のそれとは、大きく異なる可能性があります。離散系であるグラフ処理と連続系Simplexをハイブリッドに活用することです。
問題を解く核になるエンジンのことをソルバと言います。
実は、ソルバそのものの特許を持つ企業は、国内ではほとんどありません。ソルバの使い方とか、ソルバを使ったアプリの類は、多くの企業が特許出願していますが、核となる問題解決ソルバは、技術深度が極めて深く、日本での出願も少ないのが現状です。
今回の特許は、ここ2年位、数々の国際ナーススケジューリングベンチマーク群の記録更新の元となった技術です。数理ソルバと呼ばれる類の分野の技術で、学術的にはオペレーションリサーチに属します。どちらかと言えば、ベンチマークに強いです。実務的にも、下界が判明するので、最適解かどうか疑われる向きには役に立つ場面があると思います。さらに強みは、マルチコア下でより力を発揮するので、時代が進めば進むほど、より輝く技術となっております。
ちなみに前回の取得特許は、2017年で、原因分析に関する技術です。解がないときのReasoningに関する技術で、学術的には、人口知能(AI)に属します。地味ではあるけれども、前回特許も実務には欠かせない技術です。
オペレーションリサーチとAIの融合は、永続的研究テーマです。前回特許以来、開発に5年を要しましたが、私なりの一つの回答を示せたと思います。
菅原システムズは、ナーススケジューリング問題では、国内トップ、国際的にみても有数の知的所有権保持者であると言えます。
最適化ソルバの特許は、殆どがCplex/Gurobi/Mosek等、米国発だったのですが、最近の傾向として中国系企業が目立ってきました。基本特許力は、国力に比例すると思うのは、私だけでしょうか?
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