数理最適化の文脈における Reduced Cost Fixing(縮小コストによる固定)は、混合整数計画問題(MIP)などの難しい問題を解く際に、「最適解においてその変数が取るべき値を事前に確定(固定)させる」ことで探索範囲を絞り込む手法です。
UBが既知のときに、
bitを反転させるコストがUBを上回るならば、bitを反転させることは、必ずUBを上回ることを意味するので、bitを反転させることはできない、→bit固定化できる、
LB+反転ReducedCost>UB →ビット固定
ということになります。GAP=UB-LBが小さくないと、UBを上回ることはないので、この手法が有効なのは、GAPが小さいときに限られます。逆にLB=UBとなれば、極小さいReducedCostでもビットを固定化できるので、大量のFixedBitsを得ることが出来ます。そうなれば、MIP/SAT ソルバ共簡単に解けるようになるので、出来る限りLBを上げること目指している訳です。
以下の説明では、Simplexを念頭に置いたBasic変数と非Basic変数に関する説明がされていますが、Simplexに限定されるものではなく、PDLP(FirstOrder)法、内点法等でも、成立します。
1. Reduced Cost(縮小コスト)とは
線形計画法(LP)において、ある変数が現在の最適解で
であるとき、その変数を
単位増やすために必要な「コストの増加分(または利益の減少分)」を指します。
- 基本変数の場合: 縮小コストは常に です。
- 非基本変数の場合: その変数が最適解に含まれていない理由(=どれだけ損か)を数値化したものです。
2. Fixing(固定)の仕組み
MIPを解く際、まず整数制約を無視した「LP緩和問題」を解きます。このとき得られる縮小コスト
と、暫定解(現在見つかっている最も良い整数解)の目的関数値
、およびLP緩和の目的関数値
を用いて以下の判断を行います。
- 論理: 「もし変数 をにした場合、目的関数値がよりも悪化することが確実であれば、その変数は最適解でになることはあり得ない」
- 判定式: (最小化問題の場合)
- この条件が満たされる場合、変数 をに固定(Fix)して以降の探索から除外できます。
- この条件が満たされる場合、変数
3. この手法のメリット
- 探索空間の削減: 枝分かれ限定法(Branch and Bound)において、調べるべきノードの数を劇的に減らすことができます。
- 高速化: 特に変数の数が多い大規模な問題において、計算時間の短縮に直結します。
この手法は、多くの商用ソルバー(Gurobi, CPLEXなど)やオープンソースのソルバーにプリソルブ(前処理)やノード内での絞り込み戦略として標準的に組み込まれています。
2026年2月24日
C++ソルバー(Gurobi, CPLEX, SCIPなど)を想定した
Reduced Cost Fixing の疑似コードを以下に示します。この手法は、暫定解(現状の最高スコア)とLP緩和解(理想的なスコア)の差を利用して、逆転不可能な変数を切り捨てます。
C++ 疑似コード
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