下記資料中、
Q. 4page 「人的リソースの物理限界まで配置が可能」とは、どういうことか?
質問を頂きました。
Ans.
誤解を招く表現で申し訳ありません。正しくは、
「世界で一番、人的リソースの物理限界まで配置が可能」
です。絶対的な意味ではなく、相対的な意味になります。
そもそも、ナーススケジューリング問題は、規模が大きくなれば、組み合わせ爆発が生じ、リーズナブルな時間内には、解が求められない、ということが証明された問題分野(NP困難)にあります。このことが意味しているのは、「どんな規模の人的リソースでも物理限界まで配置可能」という命題は数学的にあり得ません。
なので絶対表現ではなく、他と比較して相対的に、ということを意図していました。
では、具体的に何が違うのか? アルゴリズム上の観点で、説明します。
AL1は、現在のスケジュールナースの基幹アルゴリズムで、SATソルバベースのアルゴリズムになっています。201x年のMAXSAT Competitionで、4カテゴリ中3カテゴリで優勝しましたが、それをベースとして、これまで、進化してきました。
AL3は、現在もリリースされてはいますが、問題分野がアカデミックなベンチマーク専用という意味あいが強く、実務的な貢献は殆どされていません。そのコアアルゴリズムは、数理ソルバあるいは、LPベースのソルバ、世の中にある汎用最適化ソルバ(MIPソルバ)の類と同じ学問分野にあるアルゴリズムで、AL1のSATソルバベースとは全く動作原理が異なります。
AL1 は、通常規模のナーススケジューリング問題については、無類の強さを発揮しますが、規模が大きいかつソフトエラーが多発する問題は、弱いという傾向があります。この弱点がもっとも顕著に出るのがアカデミックベンチマークです。逆にこの弱点を克服するべく、未解決のアカデミックベンチマークを全問解くという目標を掲げ、実際最後の1問を残すのみという研究実績を積み重ねてきました。
この挑戦の過程で、多くの知見を得ることが出来ました。それを現在のAL1と同じく市井の実務問題を解くソルバに技術移転することが次の課題として残っています。この課題解決の後に、ユーザさまは、AL1/AL3、好きなソルバで作業することが出来るようになります。
規模が大きい、あるいは、ソフトエラーが多発する、あるいは、物理限界の極限まで、スタッフの希望休みを詰め込みたい、といった用途には、AL3を使用することになると思います。私の経験則は、ほぼすべての師長さんが、「スタッフの希望休みを全部(極限まで)詰め込みたい」ですので、勤務表リリース前の最終段階では、結局、AL3が使用されることになる、と見ています。
もう一つの誤解は、高速性です。求解が高速であることと、求解品質は、関連がありません。高速だけども低品質であってはなりません。これからの指標は、高速であることは勿論ですが、どれだけ、「スタッフの希望休みを全部(極限まで)詰め込めるか?」です。
このスケジュールナースのエンジンが広く行き渡れば、100万人いる?日本の全てのシフト看護師・介護師に恩恵があると思うので、1社に限定することなく、広く世の中で使われるように積極的にライセンス展開をして行きたいと思います。
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