アルゴリズム1は、非決定的です。非決定的というのは、複数回 求解したときに解が同じにはならないことを指します。この原因は、二つあります。
1)時間タイムアウトによる非決定性
2)マルチスレッド間での非同期性
数独みたいに、ソフト制約がないプロジェクトをCPUコア数1で駆動したときは、1)要因がないので、解は決定的に出来ます。しかし、その場合でも複数のCPUで駆動した場合は、2)の問題により解は決定的にはなりません。
この問題に対する有効な方法は、山梨大学鍋島先生によるDPSです。マルチスレッドの速度向上を阻害せずに、決定的にするのは、大変難しい問題ですが、DPSは、速度低下を最小限に収めつつ、決定的にすることが出来ます。
改めて再評価したところ安定的に動作することを確認しました。次は、そのデータです。20コアで、最速を記録していますが、このデータは、「再現性がある」ということです。逆に8コアでは、4コアよりも遅くなりますが、これも再現性があります。常にコア数を増やせば、速度が上がる訳ではないのですが、傾向としてはそうであり、そうであるならば、安定的に動作して欲しい、ということであります。
dps 10-13-s
コア数 時間 メモリ
1 289sec 120mb
2 302sec 188mb
3 69sec 249mb
4 31sec 307mb
6 34sec 455mb
8 73sec 535mb
10 46sec 704mb
12 28sec 837mb
14 105sec 923mb
16 41sec 1099mb
20 12sec 1379mb
24 37sec 1611mb
32 25sec 2173mb
現在は、アルゴリズム3,4用のアルゴリズム1の再設計を行っています。(余裕があれば、DPSの枠組みを組み込みたいと思っています。)
ちなみに、MIPソルバも含めて、99.9%のソルバは、非決定的だと思います。上の事情に加えて、ランダムSeedを時刻等で初期化することによっても非決定的になっています。
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