2014年4月18日金曜日

勤務表 人間とコンピュータの違い


 
実際にスケジュールナースをガイドしながらやってもらうと、絶対にできない制約(物理的に実現不能な制約)をコンピュータにやらせようとして「解がない!」、 バグではないか?と疑いの眼差しで眼を向けられることがあります。この制約で、前月もできているのだから、出来るはずだ、というのが妻の主張です。前月は、妻ではない別な看護師長が書いた勤務表です。それならばということで、前月の人間が作った勤務表を見ると、これが全然制約を守れていない訳です。勤務表を作ったときは、ルールがあるのだと思いますが、実際に作る段では、そのルールを守ることが出来なくて、部分的に捻じ曲げて(無視して)作っているのではないでしょうか? コンピュータに制約を入力すると、コンピュータは、勝手に捻じ曲げて緩めてはくれませんので、配置できない、解がない、エラーになってしまう訳です。

 大抵の場合、手入力した勤務表実績を入力しそれに対して解を求めると、(つまり初期入力で埋まった状態なので、解は一個以上、一個以下になるはずです。)解がありません と報告すると思います。 実はそれは看護師長さん自身が考えて手入力されたものは、伺ったルールからは、部分的に外れてしまっていることが多いのです。職場のルール、自分の中でのローカルルールをきちんと紙に書いてそれを一個のエラーもなく守る、というのはそれだけで、大変な事だという事でしょう。

コンピュータは、その意味で融通が利かないとも言えるかもしれません。でも、ちょっと立ち止まって、もっと良い制約はないか?と考えて欲しいのです。スケジュールナース的に言えば、勤務表づくりの大半は、制約設計です。

私は、コンピュータを使った勤務表の最大のアドバンテージは何かと、ずっと考えてきたのですが、最近になって、少し見えてきました。それは、複数の違った見方が出来る事です。紙と鉛筆で作れば、平均11時間かかってできる勤務表は1個です。 それが、スケジュールナースでは、ほぼ、看護師スタッフの入力時間だけで済みます。でもそれだけでは、例えば1/11にしかなりません。
例えば、今月は、リーダ養成のために、ここを少し空けてみたら、配置できるか?とか、この日の日勤を少し増やせないか?とか、その月に限っても色々試してみたいパターンが本当はあるのではないでしょうか?本当は、試して、良さそうだったらそっちを使いたいけれども、苦労して作った勤務表をもう一回やる気にはならない、というのが本当の所ではないでしょうか?少なくとも、その要求に対する能力をスケジュールナースは有しています。

11時間後のたった一個の勤務表と、いくつかの異なる見方をした勤務表候補。前者は選択の余地はありません。後者は、看護師長のどちらが理想に近いかという、評価して選ぶという所に大きな違いがあります。

しかし、いくつかの試したパターンの結果を評価できるのは、人間たる看護師長だけです。そのトレードオフのバランスを決めるのも人間たる看護師長だけです。コンピュータでは、そういう評価はできません。コンピュータは、制約に対して答えを出すことしかできません。


そのためには、何が必要か?制約をその場で書き換えて、すぐに答え出せるソフトの他に、制約をその場で書けるスキルが必要になります。現実の現場の勤務表を見ていると、実は、同じ制約の月の勤務表というのは、あまりなくて、なにかしら変更があるものです。フレームワークの勤務表はあったとして、少しの変更をその場で書けるスキルは、やはり必要だなと感じています。とりあえず、基本的なソフトの使い方は、Skypeによるサポートでなんとかなるとは思いますが、制約そのものを追加変更するスキルの向上は、難しいと感じています。なにかよい手立てはないでしょうか?


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