2024年9月11日水曜日

ナーシングビジネス勤務表作成のポイント について

 10月号の記事が秀悦なので、皆さんご覧になってください。(広告を出稿したので頂きました。まだ店頭にないかもしれません。)



特に、自動勤務表に関する記事で新しいことが書いてあります。(著者は、私ではありません。)

「自動勤務表作成担当者を置く」 のが新しいと思います。EUでは病院規模が大きく専用の担当者がいるのが普通だと思いますが、これを日本で提唱する記事は初めてみました。「最適化」「ハード制約」、「ソフト制約」等、スケジュールナースユーザには、親しみのある用語が使われていますが、一般の読者が目にするのは初めてではないでしょうか? 時代がようやくスケジュールナースが提唱する勤務表作成形態に追いついてきた、と感じます。

参考文献に菅原システムズを載せて頂いておりますが、いわゆるネットの看護師勤務表ソフトベスト10や20には、スケジュールナースは、世界最速・世界最高性能・世界最安にも関わらず不思議なことに入っておりません。競合にもかかわらず載せて頂いているのは、光栄な事で感謝しております。(余談ですが、毎年、新規参入がこの業界にやってくるのですが、生き残るのは僅か、というより殆どありません。)

が、記事中、気になったことがあります。

「商用の自動作成システムの殆どは、池上らによって提案されたモデルに基づいて設計..」

とありますが、これは、疑義があります。私のモデリングは、池上先生のモデルを全く参照していませんし、多くのソルバもそうだと認識しています。(私のソルバは特殊でモデリングという概念に当てはまりません。内部で唯一実装しているのは、シフトは1日に1個だけというルールだけです。その他は自由に定義できるので、モデリングはプロジェクト毎に行うという言い方が適切です。)

何度も解説していますが、ソルバは、次の3つに分類されます。

■メタヒューリスティクス系 池上先生(タブサーチ)、法政大学 野々部先生

■MIP系 独自MIPソルバ(NTTデータソリューション)汎用MIPソルバ(winworks)

■SAT系 菅原システムズ

その他、私の知るソルバは、殆ど全てがメタヒューリスティクスによる独自の実装で、池上先生のモデルを使用しているとは思えません。

もう一つは、

「微妙な人間関係、なにかおかしいと納得感が得られない→自動勤務表を手修正」

の必要があり手間がかかる、としています。

私に言わせれば、「なにかおかしい」のは、モデル化の不備です。それを言語化、制約化出来てこそのモデリングです。「なにかおかしい」のは、勤務解をみれば分かる訳ですから、それを言葉にし、制約にしていくモデリングが必要なのです。そのために、プロジェクト設計時に納得が得られるまで何度もループする、ということが必要になります。そうした制約を積み重ねれば、その意味での修正は、殆どない、というのが私の知見です。何が良い解かというのは、管理者によって違いますが、制約を列挙したあとは、その重みをどうするかだけの問題となります。

つまり、よりよい解、重みを試行錯誤トレードオフのために試行するというのはあります。どうなるかは、誰にも予想できない、という性質があるので、とにかく求解してみないと分からない、ということです。

また、全てを制約で記述するのではなく、予定として直接入力するのもアリです。また、解の一部を取り出して、それを予定とするのもアリです。

要は、リソース制限がある中で、理想解にどのように近づけるか?は、できるだけ速やかに近づきさえすれば良いのであってそのアプローチは、職場や師長による、というのが私の見解です。

私が高速ソルバに拘るのは、頻繁に解を求めながら、予定を決定していくプロセスを想定しているためです。一方、予定は一気に入力する、という方もおられます。また、私の想定を超えた極地的な使用方法をされているかたもおられます。どのようなアプローチがよいかは分かりませんが、どのようなアプローチを取っても、その場その場で、直ぐに解が求まり最適解保証できるのが理想であることには変わりありません。それさえ出来たならば、後はユーザの自由ではないか?と思います。

もう一つ別の記事で気になったのが、

「休みの希望であって勤務希望を入れないような指導が必要」

ソルバの視点で重要なのは、解空間を狭めない、という配慮です。このことを理解しておけば、例えば、休みに替えて、長日勤Xとか、夜勤入りXとか、そういう予定入力は、むしろ好ましいと思います。「必ず休みを入れる」必要はなく、必要なところはハード制約・重要でない休み・勤務は、ソフト制約を使いつつ解空間を狭めない工夫が必要ということです。そうすれば、皆さんが幸せ方向に作用します。










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