パターン長が長いと 以下の問題があります。
1)拘束長が長いと解空間を狭める
入明休より長入明休が、長入明休よりも長遅入明休の方が、解空間は狭まります。
パターン長は、拘束している長さになります。拘束している長さが長いほど解空間は減少します。コマ数チェックを行えば、物理限界は出ます。しかしそれは、ブランク予定に対してであって、予定が入ったときは、何某かのマージンを持たなければならない、というお話しはしました。このマージンとは、拘束長に依存します。長い拘束長程、解空間を狭めるのでマージンをより多く持つ必要がある、ということです。逆に言えば、長いパターン程、夜勤割り当ての観点から、リソースを食うということです。それは、予定が入れば入るほど顕著になります。
EUでは、夜勤が連続することが一般的で、長い拘束長を持ちます。夜勤割り当ての観点からは、効率が悪いことこの上ないです。言い換えると、同じ毎日夜勤3名を実現するにしても、拘束長が長いパターン程、余計なリソース(人員)が必要になるということです。変則2交代になり、拘束長がより長くなっていますが、勤務表は作りにくくなった、と感じておられる師長さんが多いかもしれません。人員数は変わらず、希望夜勤数制限も変わらないということであれば、解空間は減少せざるを得ないので、当然の帰結ということになります。
看護協会も、この辺を検討しているかもしれません。
2)制約パターンが長いとソルバの負担大
Defaultで一週間分のパターン長しかないのは、長いパターンをなるべく書いて欲しくないからです。制約パターンが長いと、指数関数的にソルバの負担になります。これは、メモリすべき状態が指数関数的に増えることによります。(状態空間が増える)
この性質は、シフト数と同様にソフトウェアによらず普遍的性質になります。具体論文は忘れましたが、確か、KU Leuven(ベルギー)の研究者がその指摘をしていた論文があった筈です。
いずれにせよ、長いパターンよりも複数の短いパターンの方が良いです。
2週間以内に2連休休みが2回という制約化のご要望がありましたが、お勧めしません、というお話をさせて頂いています。書けないということではなく、書くことは出来ますが、その他の影響が大きすぎてメリットがないです。詳しくは、Kindle本(自動勤務表: これからはじめる | 菅原孝幸 | 工学 | Kindleストア | Amazon)にも書いていますので、そちらをご覧ください。
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